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子宮頚がん撲滅のために

県民の皆さんへのアピール

平成21年11月 5日 神奈川県産科婦人科医会

今般、HPV ワクチン(子宮頚がんワクチン)が認可され、接種が可能となりました。これにより、我が国の子宮頚がん予防戦略はまったく新しい局面を迎えました。県民の皆様が子宮頚がんで悲しむことのないよう、応援していきたいと思いますので、積極的に予防策を受けて下さい。

頚がん予防の基本的スタンス

1. 子宮がん検診と HPV ワクチンが、頚がん予防の 2 つの柱です。
2. 子宮がん検診は、従来からの方法の有用性が高いので、これを継続すべきです。

3. HPV ワクチンは中学生での接種が一番です。お母様からも勧めて下さい。

HPV ワクチンについて

1. HPV ワクチンは、産婦人科医療施設でも接種できますので、電話でお問い合わせ下さい。
2. HPV ワクチンは 6 ヶ月間に 3 回の筋肉注射で接種します。
3. HPV ワクチンは不活化ワクチンですので、接種により感染する恐れはありません。
4. 11〜14 歳がまず接種の対象となります。
5. 15 歳以上でも、希望者には接種できますが、特に 45 歳までが推奨されています。
6. HPV ワクチンは、HPV(ヒト乳頭腫ウイルス)の感染を未然に防ぐものです。従って、すでに感染のある方には効果はありません。また、異形成や子宮頚がんなどの治療にも役立ちません。
7. HPV ワクチンがカバーするのは今のところ特定の型の HPV のみで、カバー率は 70%程度と言われています。HPVワクチン接種の後も、子宮がん検診を受ける必要があります。

子宮がん検診について

1. 子宮がん検診は、内診と細胞診(子宮頚部の表面の細胞を擦り取って顕微鏡で見る検査)で行いますが、痛みもほとんどなく、時間は 5 分以内で済みます。
2. 子宮がん検診は、20 歳から対象となります。
3. 子宮がん検診は非常に有用なプログラムにも拘らず、受診する方が少ないために有効に機能しているとは言えません。1年ないし2年に 1 回、定期的に子宮がん検診を受けましょう。

子宮頚がんとは

子宮頚部(子宮の出入り口)にできる癌を「子宮頚癌」と呼び、子宮癌の約半数を占めます。
主に扁平上皮癌(子宮頚部の下半分の表面を覆う扁平上皮から発生する)と腺癌(粘液を分泌する頚管の腺組織から発生する)の二種類あり、扁平上皮癌が 85%を占めています。患者さんの平均年齢は 46 歳程度(0 期では 40 歳程度)ですが、年々若い患者さんが増えてきました。

子宮頚癌の発生にはある種のヒトパピローマウイルス(腟や子宮頚部に「イボ」を発生させるウイルス=HPV)の感染が関与していると言われており、性交渉によりその感染機会が増したために、発生年齢が低下しています。近年では、女性の 70%は一生の内に感染機会があり、若年女性の 20%以上がヒトパピローマウイルスを保有していると言われており、非常にありふれた感染であることが分かってきました。しかし、一部の人では持続的な感染状態となり、時には前がん状態(異形成)を発生させることがあります。さらに、異形成を放置すると数年から十数年を経て子宮頚がんになることがあります。HPV に感染しても子宮頚癌まで至る人は 1%以下ですし、前がん状態である異形成から頸癌に至るまで年月がかかりますので、その間に早期発見できれば、恐れることはありません。

癌が進行すると、おりものが増えたり不正性器出血をみたりしますが、初期段階の癌や前がん状態(異形成)の方では無自覚・無症状がほとんどです。早期発見のためには医師による細胞の採取(細胞診検査)が必要ですので、是非子宮がん検診を受けましょう。

子宮頚癌の予防

残念なことに、現在は 20〜30 歳台の若年女性のおよそ 2/3 は HPV 感染の経験があると言われており、きわめてありふれた感染となっています。性交渉の制限や、コンドームの使用で、感染を完全に予防することはできないと言われています。現状では、一旦感染した HPV を駆除する有効な手段はありません。感染を防ぐ唯一の方策は、未感染者へのワクチン接種のみです。

子宮頚がん検診の現状

近年、子宮頸がんの原因が HPV の長期持続感染であることが解明され、子宮頸がんは予防できる疾患であるということが世界的な常識となり、人類が克服可能な最初のがんと考えられています。これまでは子宮頸がん検診の目的が早期発見早期治療と言われていましたが、現在はがんになる前の状態(前がん状態)を発見するために行われるものであると理解されています。しかしながら、わが国の子宮頸がん検診受診率は約 20%と、欧米先進国の受診率 80%に遠く及ばず、一時期低下を示していた子宮頸がん死亡者数も年間 2500人を越え、現在 20~30 歳代の若年女性の死亡者数の第 1 位となっています。